関西学生アメリカンフットボールの立命大・古橋由一郎監督(54)が15日、新シーズンに向けて意気込みを語った。10日に新チームが始動しており、19年度は4年ぶりの甲子園ボウル出場および、学生日本一が目標になる。

立命大は昨季、古橋監督が10季ぶりに復帰。だがライバル関学大に敗れてリーグ優勝を逃し、甲子園ボウル出場を懸けた西日本代表校決定戦でも試合終了間際に逆転され、19-20で敗退した。古橋監督は「我々の気持ちが足りなかった。まだまだ優勝できるチームではなかった」と昨季を振り返った上で「魂の入ったチーム、1人1人が前向きになれるチーム作りをしたい」と抱負を述べた。

古橋監督が指揮を執った02~08年、そして昨季と、宿敵関学大との対戦成績は、甲子園ボウル出場校決定戦を含めて5勝5敗と互いに1歩も譲らない。

「関学とやる時には少しの差が大きくなる。数ヤード差、1点差、1FG差と接戦が多い。その少しの差をつけるために1年間取り組んできている」

その関学大を長年率いた鳥内秀晃監督(60)は先日、19年度限りでの退任を発表した。「鳥内さんがいるから全体的にきちっとチームがまとまる。あれだけの伝統校をよくまとめてこられた。ずっとライバルでやってきていたので寂しい」と名将の退任を惜しんだ。「でも、どういう状況だろうと、自分たちのチームがやるべきことをやるだけ」。気を引き締めて自分たちのプレーだけに集中する。

新シーズンは関東の強豪校、東京・佼成学園出身のDL鈴木総司郎(3年)が主将を務めることになった。ラグビー部だった鈴木は、小学6年生の時に立命大が出場していたライスボウルを観戦。社会人チームを下して日本一に輝いた立命大に憧れを抱き、中学からアメフトを始めた。佼成学園では主将を務め、東京選抜にも選ばれた。その後、関東の強豪大学からの誘いを断り憧れの立命大に入学。主将になりたい気持ちは入学前から芽生えていたという。

「高校ではチームに力があるのにキャプテンの責務を果たせず、負けさせてしまった。それを原動力に主将に立候補した」

実力十分の鈴木だが、高校時代に負った肩のケガに泣き昨季までは控えに回っていた。「今年は肩の状態は一番いい。主将がフィールドに出て活躍することでチームを盛り上げられる。しっかり鍛えて最終的には関学戦で活躍したい」と先発奪取に自信をうかがわせた。「昨季まで3年間負けてきた現状がある。僕たちがこの現状を打開して日本一を目指す」。立命大は15年の甲子園ボウル優勝以来、4年ぶりの学生日本一奪還に向かう。新たなシーズンこそ主役を譲るつもりはない。【鶴屋健太】