アルペンスキー・ワールドカップ(W杯)で日本人初の2位に入った岡部哲也(53)が16日、札幌・テイネハイランドスキー場で行われている、国体スキー大回転成年男子C(34歳以上)に東京都代表で出場した。

昨年12月に同じスキー場でのテレビ撮影で転倒し、右ふくらはぎを筋断裂。5日には長野・菅平で学生大会の前走を務め転倒し、第3腰椎横突起骨折で全治2カ月の重傷を負っていたが「あきらめたくない」と強行出場し、1分15秒04で、出場130人中33位に入った。

95年に現役引退して以降、24年ぶりの本格的なレース参戦。北海道小樽市出身で、9月の北海道胆振東部地震では、両親が小樽の実家で被災した。地元復興への思いも、出場のきっかけだった。

満身創痍(そうい)の中、ゴールを果たし「この状態で滑り切れたのは奇跡に近い。53歳でまたレースの緊張感や、刺激を味わえた。あきらめないでゴールできた。役目は果たせたのかな。支えてくれたスタッフにも感謝したい」と話した。