“癒やし系信金ガール”が3連覇を達成した。全日本テコンドー選手権が17日、千葉市内で行われ、女子49キロ級で城北信用金庫に勤務する山田美諭(25)は危なげなく勝ち上がり、決勝では貫井亜沙菜(24=ダイテックス)に59-5の圧勝。女優木村多江(47)似の美人アスリートが、同大会では他階級も含め通算8度目となる優勝を飾り、5月の世界選手権(英国)の代表に内定した。

 

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決勝開始と同時に主導権を引き寄せた。開始1秒。山田はいきなり中段へ左押し蹴りを決め、2点を獲得。貫井の出ばなを折った。勢いに乗ると、2分の第1ラウンドだけで24-0。その後も、左足の蹴り技のコンビネーションを軸に点差を広げ続けた。「優勝することは自分の中で絶対だった」。54点差の圧勝も「自分の中では当たり前だと思います」。癒やし系の笑顔から貫禄が漂った。

城北信用金庫では人事部の配属。お茶出し、電話対応、所属するアスリート社員の経費精算などの仕事をこなしている。16年リオ五輪の最終選考会では右膝の靱帯(じんたい)を断裂。「自分が出る」と自信はあっただけに喪失感も大きかった。「辞めよう」と思ったことがあったが、周囲の支えもあり、競技を続行した。リハビリ当時は週3日勤務だったが、現在は会社に行くのは週1日。競技に専念できる環境が整った。それだけに「いい報告ができてよかった」と話した。

世界選手権は決勝進出を目標に掲げる。海外勢のフィジカルに押されても、攻撃につなげられる体幹の強さが課題だ。「東京オリンピックで金メダルを取るのが私の最終目標」と力を込めた。【上田悠太】