レスリングの男子グレコローマンでリオデジャネイロ・オリンピック(五輪)銀メダリストの太田忍(25=ALSOK)が19日、ハンガリーとブルガリアでの転戦へ向けて欧州に出発した。

2大会目のブルガリアでのダン・コロフ-ニコラ・ペトロフ国際大会には、ロシアが最強チームを送り込んでくる。主戦の60キロ級ではなく「今年の世界選手権に向けていろいろ考えているので」と五輪非実施階級の63キロ級で参戦するが、60キロ級には自身が表彰台を逃した昨年の世界選手権で優勝したセルゲイ・エメリン(ロシア)が出場する。その一報を聞くと、「そうなんですか、63キロではないんですね…」と落胆しながら、63キロ級にも同級世界王者のステパン・マリャニャン(ロシア)が出ると知り、「どうせならどっちもぶっ倒してやりたかった」と悔しがった。

昨年末の全日本選手権では、日体大の後輩で東京五輪出場を争う文田健一郎に敗れた。1歩リードを許した形で、6月の全日本選抜に優勝した上でプレーオフで文田を破ることが秋の世界選手権出場には必要になる。「もう1敗もできない。誰が相手でもどんな試合でも勝つ」と誓った。