フィギュアスケート女子で18年平昌五輪(ピョンチャン・オリンピック)6位の坂本花織(18=シスメックス)が21日、神戸野田高(神戸市長田区)の卒業式に出席した。

同級生の答辞を聞いた時点で涙があふれたといい「(制服の)リボンがびしょびしょ。歌、歌えへんかった。くじけそうになった時に、みんなが頑張っているから自分も頑張ろうと思えた」と照れ笑いした。

在学中には世界ジュニア選手権3位、平昌五輪出場、全日本選手権初制覇と飛躍。クラスは運動部の女子30人で、3年間同じだった。初出場となる世界選手権(3月20日開幕、さいたまスーパーアリーナ)へ「かおちゃん、ファイア~!」とエールを送られ「最後の最後の(高校への)恩返しで、いい姿を見せたい」と力強く言い切った。

節目の1日だったが、卒業式前には午前7時から練習。同4時半起床ながらショートプログラム(SP)、フリー曲をかけての通しで精力的に調整した。男女初の2連覇を狙った今月の4大陸選手権はフリーの失速で4位。米国から帰国後は「2日間ぐらい落ち込んでしまった」というが「帰ってきたらバレンタインで、友達ののろけ話を聞いた。(自身は)のろけること(話)はないです」と気分転換も完了した。

4月からは神戸学院大経営学部に進学。4歳から指導を受ける中野コーチは「今年の全日本(選手権)までにはトリプルアクセル(3回転半)。来年は(坂本の意思で)封印されたら、はがしてやらそうと思っています」と本気だ。伝え聞いた坂本は「オフの過ごし方を考えて、しっかり練習したい」。制服に別れを告げても、持ち前のパワフルさは失わない。【松本航】