バドミントンの17年世界選手権金メダリストで今年からプロとなった女子日本代表の奥原希望(23=太陽ホールディングス)が23日、ドイツオープン(26日開幕)と全英オープン(3月6日開幕)に出場するため成田空港から旅立った。ほかの日本代表選手らとメディア取材に応じ「しっかり準備ができました」と状態の良さをアピールした。

1月の遠征時はプロ転向から間もなく調整がうまくいかなかったが、1月28日に帰国後は他選手が所属企業でリーグ戦に出場する中、個人で練習。点を取りに行くショットを重点的に取り組んだ。「どこまで自分のやってきた攻撃で点を取れるか。しっかり課題に取り組める時間が長かった」と手応えを感じている。

今年最初の大きな大会である全英オープンを大事な大会と位置付けてきた。昨年まで遠征の間は所属先の日本ユニシスで練習や試合を行っていた。実戦不足が懸念されるが「全英に向けて標準を合わせるため、できる事を毎日取り組んでいた。本当に充実していたし楽しかった」とプロとして納得いく調整だったことを明かした。

プロ転向にあたり1人暮らしを始めたという奥原。「生活リズムもだいぶ慣れてきたし落ち着いてきた」と笑顔を見せた。自炊に関しては「やっていないですね。近くの居酒屋さんに良くしてもらって、フルーツまで出してくれるので甘えてます」と苦笑い。さらに外出のできない遠征先では1人前の鍋の素が入った「鍋キューブ」を持参して選手たちと鍋を囲むこともある。「味の素さんに提供してもらっていて、とてもおいしいので、あるとないとでは全然違います」と食事の面では周りから手厚い「サポート」を受けている。

プロ転向について「自分で選んだ道。時間がたつにつれて成長を実感できている。いい感じかな」と奥原。前回は転向後すぐの遠征で満足いく結果ではなかった。万全の状態で向かう今回の遠征では、プロとしてパワーアップした新しい奥原が見られるに違いない。【松熊洋介】