昨季世界選手権銅メダルの宮原知子(20=関大)が70・60点で発進した。

演技後のインタビューでは「もっと行きたかったので悔しいです」。その中でもステップではレベル4を獲得し、「今までなかなか(レベル)4が取れなかったので、今回取ることができてうれしいです」と笑顔。フリーに向けては「やってきたことはしっかりやってきたので、本番でしっかり出せるようにしたいです」と話した。

この日本での大舞台に向け、1月末にカナダ・トロントでステップの振り付けを大幅に修正。手の先まで細やかに意識を払い、上半身も目いっぱい使って、152センチの体を大きくみせた。

日本女子のエースとして14年から全日本選手権を4連覇し、昨季初出場した平昌五輪では完璧な演技で4位入賞。だが、今季の全日本選手権では坂本花織に全日本女王の座を譲り、3回転半(トリプルアクセル)を武器とする同門の紀平梨花に続く、3位となった。

激しい下からの突き上げ。同じリンクで練習する紀平に対して、「自分もああいうふうに、ポンポン跳べたらいいのにな」とうらやましく思うこともある。ロシア選手が4回転を跳ぶなど、女子にも4回転時代が到来しそうな中、「今の構成だけでは勝てなくなる」と焦りを感じることも。でも「すぐにポンポンとできるタイプではない」と自覚するように、1歩ずつ地道に努力を重ねる。昨夏からは、トリプルアクセルの本格的な練習を開始。1日1本のチャレンジを自らに課す。「時間はかかるかもしれないですけど、自分なりに少しでもチャレンジしていきたい」。

今季のテーマは「挑戦」。日本での大舞台で、今できる最高の姿をみせる。