ショートプログラム(SP)6位と出遅れた宇野昌磨(21=トヨタ自動車)はフリーでもミスが重なり、表彰台に届かなかった。178・92点にとどまり、合計270・32点の4位に終わった。

4本の4回転ジャンプを構成に入れる攻めの構成も、冒頭の2本が決まらなかった。サルコー、フリップともに手をつく失敗。続くトーループは成功したが、後半のトーループに連続技をつけられず、技術点を伸ばせなかった。演技後には疲労を感じさせるように、フィニッシュポーズでふらついた。

経緯は違っても、いつも宇野がこだわる「攻める」姿勢が戻ってはいた。21日のSP。冒頭の4回転フリップで転倒すると、続く4回転-3回転の連続トーループを4回転-2回転でまとめた。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を成功させたが、結果は首位チェン(米国)と16点差になった。

連続ジャンプで難度を落とした選択を「何を言われようと、いさぎよく逃げました」と振り返った。その真意は「いつもそれ(難度を落とすこと)を後悔していた。でも今回は満足いく演技より、結果を求める」。大崩れを防いだ結果、苦しい立場ながら上位戦線には踏みとどまった。

中1日でのフリー。「もう僕は、ショートのような無難な演技をしても、勝てる試合じゃない。点差的にも不可能。最後は攻めなければいけない」と誓って臨んだ演技だった。逃げから、攻めへ-。結果にこだわった2日間は、21歳に新しい経験値はもたらせた。