今季の個人総合王者、小林陵侑(22=土屋ホーム)が、ビッグジャンプでの優勝で最終戦を締めた。1回目に日本最長記録とジャンプ台記録を塗り替える252メートルで首位に立つと、2回目も230・5メートルとまとめ合計464・9点で優勝した。今季はペテル・プレブツ(スロベニア)のシーズン最多15勝に次ぐ13勝(15-16年シーズン)、21度の表彰台で終え、総合優勝の証しクリスタルトロフィーを受け取った。

背中に羽がはえた。小林陵はタイミングよく飛び出すと、高い飛行曲線を描いた。落ちない。ヒルサイズを大きく越え、252メートル地点に両足で降り立った。ジャンプ台記録と、自らの日本最長記録を4メートル更新。会場のどよめきを誘い、派手なガッツポーズを何度も繰り出した。「本当に飛び出しがうまくいった。下の風もよくて、すごく伸びた」と小林陵。今季の強さを象徴する大飛躍だった。

2回目もきっちりとまとめ、2位に飛距離換算で約17・5メートルの大差をつけて圧勝した。日本人初のワールドカップ(W杯)個人総合優勝、史上3人目のジャンプ週間完全制覇、男子最多に並ぶW杯6連勝など、数々の記録を打ち立てた。「本当に憧れていたので、うれしい。最初から最後までレベルが高いところで戦えてよかった」。シーズンをリードしてきた日本の若きエースは、圧倒的強さでシーズンを締めくくった。