バレーボール男子日本代表のエース石川祐希(23)が4日、アドバイザリー契約を結ぶデサントの東京オフィスを訪れ、イタリア・セリエA(1部リーグ)シエナでのシーズンを報告し、同社の新入社員に対して祝辞を贈った。

「これからいいことばかりではなく、苦しくつらいこともあると思いますが、それをチャンスだと思って何にでもチャレンジしていってください」。石川の祝辞は直近の実体験に基づいた説得力のあるものだった。

プロ選手としての1年目、在籍したシエナは3勝23敗で14チーム中13位に終わり、1シーズンでの2部降格が決まった。それでも苦しい戦いの中、チームに貢献することを常に念頭に置いてコンディションを維持し、全26試合にスタメン出場し、リーグ12番目の376得点を記録。常に結果が求められるプロとして感じた思い、手に入れた自信を自分と同世代の新入社員に届けた。

3月24日にシーズンを終え、29日に帰国。その後は地元の愛知県に戻って関係者へのあいさつ回りをしながら疲れをいやしてきた。1日には日本協会が発表した19年度の日本代表登録メンバーに順当に名を連ね、今後は5~7月のネーションズリーグ(世界各国)、9月のアジア選手権(テヘラン)、10月のW杯(福岡、広島、長野)と日の丸を背負った戦いが続く。

「東京五輪の前年で、結果が出ないと僕たちも見ている方も(五輪が)イメージできないと思う。内容よりも結果ですが、内容がよくなければ勝てませんから」。石川は代表活動スタートを前に、主力としての責任感をコメントに詰め込んだ。なお、石川は帰国時に来季所属チームについて海外と国内の両方の可能性を持って検討すること明かしている。