シドニー五輪女子マラソン金メダルの高橋尚子さん(46)が4日、母校・大院大の新設グラウンドを視察した。

全天候ウレタン舗装とウッドチップ舗装の2種類のトラックがあり、アメリカンフットボールとラグビーの練習場も兼ねた最新式のグラウンド。スーツ姿で現れた高橋さんは「みんなと一緒に走りたい」と言い、トレーニングウエアに着替えて再登場。陸上部の選手と会話しながら、新しいトラックを試走した。

「素晴らしいですね。天候に関係なく練習を組めるし、下がやわらかいのでケガ防止につながる。大学でこれだけの施設はなかなかないんじゃないですか。大学の施設が背中を押してくれるのはありがたい。恵まれていると思います」

視察前には、同大の特命教授として入学式に参列し、祝辞で新入生にエールを送った。

「みっつあります。ひとつは4年間でたくさんのチャレンジをする、ふたつめは周りの人たちを大切にする、最後は、この4年間が人生を変える大切な時間になるということです」

自らの学生生活も振り返り、熱い言葉で伝えた。

恩師の小出義雄氏(79)が指導者の第一線から退くことが明らかになった。「2、3日前に会ったばかり。電話などでいつも話しています」という高橋さんは「今の私は小出監督の存在なくして語れない」と感謝の思いを言葉にした。