久光製薬が優勝に王手をかけた。東レに3-0(25-21、25-13、27-25)でストレート勝ち。

ブロックとレシーブが機能して相手の攻撃を抑え込み、エースの石井優希(27)を中心に攻撃陣が着実に得点を積み上げて快勝した。

8季連続の決勝進出、前回に続く連覇を目指す久光製薬の強さが際立った。アタックでチームトップの15得点をマークした石井はニッコリ笑顔で言った、「この試合に合わせてしっかり準備してきました。スタートから勢いに乗って、勝ち切れてよかったです」。

8チーム1回戦総当たりのプレーオフをトップで通過して決勝を決め、先週行われた準決勝での東レの戦いぶりをじっくり分析した。ポイントは得点源のクラン(31=スロバキア)と黒後愛(20)をどう止めるか、だった。

サーブで崩し、ブロックでプレッシャーをかけ、粘り強く拾って逆襲-。トータルディフェンスを重視する戦略がピタリとはまった。特にクランをブロックで徹底マークし、決定率を26・7%にまで削り取った。黒後はサーブで狙い打ちして揺さぶった。東レの攻撃を封じてボールをつなぎ、石井、アキンラデウォ(31=米国)、新鍋理沙(28)らがオープン、ミドルから多彩な攻撃でポイントを重ね、最後まで流れを手放さなかった。

ブロック、サーブでの得点は合計14を数え、同1の東レを圧倒した。「セットの入りをしっかりして、サーブで主導権を握ることができた」と酒井新悟監督(49)。これまではスロースターターでセット序盤にリードされるケースも多かったが、この日は立ち上がりから連続得点で突き放した。第3セットは終盤に一時4点のビハインドも再逆転するなど、チームの完成度も上がっている。

決勝は2試合制で、13日の第2戦(東京都・武蔵野の森総合スポーツプラザ)で連勝すれば2季連続7度目の優勝が決まる。1勝1敗なら25点1セットのゴールデンセットで決着をつけるが、酒井監督は「今日の試合もしっかり分析して、コンディションをもう1度整えて来週に臨みたい。まだ、終わっていませんから」。久光製薬にスキは見当たらない。