フィギュアスケートの今季を締めくくる世界国別対抗戦が11日、マリンメッセ福岡で開幕する。

10日は本番会場で公式練習が行われ、男子は宇野昌磨(21=トヨタ自動車)が午前練習でトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)-4回転トーループの大技を成功させた。

今大会の宇野は「成長する。それだけを考えてやりたい」とテーマを設定。4位と悔しさを味わった3月の世界選手権後には、アイスショーへの出演と並行して集中的にジャンプ練習を行ってきた。フリーは4回転フリップ-3回転トーループ、4回転フリップ、3回転ループで前半を構成し、4回転サルコーを後半の最初に盛り込む。3回転半-4回転トーループについては「滑りながら考えたい」とし、体力などを考慮しながら、場合によっては演技後半での導入があるかもしれない。

今大会はシーズン最終戦であり、宇野は来季へのスタートと位置づける。

「この試合で世界選手権の(悔しい)思いを晴らしたい気持ちは全くない。この気持ちを少しでも長く持っている方が、成長につながる。世界選手権の思いをぶつけるのは練習で、成長の糧にしたい」

その頭には、常に近い将来の理想像がある。

◆世界国別対抗戦 6度目の開催となる国際スケート連盟(ISU)公認大会。6カ国が男女シングル各2人、ペア1組、アイスダンス1組の4種目8人で争う。各種目優勝は12点、2位は11点…と与えられ、合計点で争う。SP、フリー(アイスダンスはショートダンス、フリーダンス)ごとに区切るため、総合得点での順位は換算しない。各出場者(組)の総合得点はISU公認記録となる。