【ブダペスト=三須一紀】女子ダブルス決勝で伊藤美誠(18=スターツ)早田ひな(18=日本生命)組が2-4で強豪中国の孫穎莎、王曼■ペアに敗れ、日本人同士のペアでは1971年の平野美恵子、阪本礼子組以来、48年ぶりの銀メダルを獲得した。67年の森沢幸子、広田佐枝子組以来52年ぶりの金メダルを目指したが、2-0から4ゲームを連取された。今大会、日本勢は男女シングルスでメダルなしに終わり、女子と混合のダブルスで計3個のメダル(銀2、銅1)を獲得した。

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みまひな組は“誤審”でリズムを崩した。2-2で迎えた第5ゲーム。9-9から早田のサーブに中国選手がレシーブミスし、サービスエースかに思われた。しかし、サーブがネットにかすったと審判が「レット」の判定。大型スクリーンにはスローモーションで、ネットに当たらず相手コートに球が入る映像が流れた。

2人はスクリーン映像を「見て」と審判に抗議。それでも判定は覆らず、女子代表の馬場監督がタイムアウトを取った。その直後のプレーで、中国が得点し、9-10。そのままそのゲームを落とし、流れは完全に相手に行ってしまった。

伊藤は「多分全員がレットじゃないと思っていた。審判にも何回も言って、ビデオも見てくれなくて。言い訳にはできないけど、あの1本ものすごく大きかった。タイムアウトも取らないで、勝てたと思う」と悔やんだ。早田も「私がサーブを出して、ネット越えて軌道も変わらなかった。相手もレシーブをミスしたという表情だった」と振り返った。

孫穎莎は伊藤が女子シングルス3回戦で敗れた相手。リベンジに燃えたが、再び敗れた。今大会、中国に1勝もできなかった日本勢。来年の東京五輪へ向け、中国の壁があらためて大きく立ちはだかった。

※■は日の下に立