ノルディックスキー・ジャンプ界の両レジェンドが共演した。ワールドカップ(W杯)男子個人総合で日本人初優勝を果たした岩手出身の小林陵侑(22=盛岡中央出)が29日、宮城・大和町内でソチオリンピック(五輪)銀メダリストの葛西紀明(46)とトークイベントを行った。太陽光発電などを手掛けるプロジェクトウサミ(本社・宮城県大和町)が設立25周年などを記念して企画され、2人が所属する土屋ホームが新社屋建設を手掛けた縁で実現した。地元中学生を含む約400人が参加し、抽選によるサイン会や握手会、Tシャツワークショップなどのふれあいイベントを楽しんだ。

土屋ホームで選手兼監督を務める葛西と小林の師弟コンビは今冬、ともに日本代表でW杯に参戦。最年長優勝記録を持つ葛西は、最年長トップ10入りの記録も更新した。シーズン13勝を挙げ、欧州勢以外で初の総合優勝に輝いた小林は、最終戦の1本目で252メートルの大ジャンプ。ゴルフ好きの葛西は「僕のドライバーの飛距離よりは短い。教え過ぎたかな。監督としてうれしい半面、選手として悔しい」と笑わせた。

小林は優勝を記念した「陵侑モデル住宅」が8月中旬、札幌市内に完成予定。「(W杯で)13勝したので、13棟は建てたい」と営業マンの顔ものぞかせた。さらに「来年も優勝して、いいニュースを届けたい」とW杯連覇に意欲。葛西も「50歳になる3年後の北京でもやれることを見せたい。(自身の)ギネス記録も塗り替えたい」と、「五十路(いそじ)ジャンパー」になることを誓った。【佐々木雄高】