アルバルク東京が千葉ジェッツに71-67で勝ち、連覇を達成した。レギュラーシーズンは東地区3位ながらワイルドカードでチャンピオンシップ(CS)に進出。準々決勝、準決勝とアウェーでの戦いを制し、決勝でも同地区1位で順当に勝ち上がってきた千葉を接戦の末破り、クラブ通算6度目、令和初の優勝を手にした。

歓喜の瞬間ベンチから選手、監督、スタッフがコートに飛び出し、A東京全員が喜びを爆発させた。ブースターも一斉に立ち上がり両手を突き上げ、横浜アリーナが揺れた。

第1クオーター(Q)からレギュラーシーズン勝率8割超という千葉の勢いを止めた。勝負を決めたのは第3Q。A東京はチームで3点シュートを5本決め、完全に千葉の勢いを封じた。リバウンド確保の差も如実に出た。オフェンス時もしつこくリバウンドを狙い、シュートチャンスを何度もつくった。加えて日本代表の田中が得意のドライブで千葉ディフェンスを何度も切り裂き、得点を重ねた。

64-45と19点差で迎えた第4Qに試練が待っていた。千葉に14得点を連続で決められ、A東京は5分以上無得点を強いられた。悪い流れを断ち切ったのが日本代表の馬場雄大だった。65-59から2本連続で2点シュートを決め、千葉の猛攻を振り切った。馬場はMVPにも輝いた。

昨季日本一ながら、今季レギュラーシーズンは東地区3位からという下克上での日本一。ワイルドカードでのCS出場に選手たちは「連覇という意識はなかった。挑戦者という気持ち」と話していた。

日本代表選手も多く、シーズン終盤にはけが人も出て満足いくシーズンではなかったが、CSで田中が戻り、ようやくベストメンバーがそろった。新潟、琉球とアウェーでのタフな5試合をこなしたことで、結束が強くなった。

前日に会見した田中は「けがで順調にCSを迎えられたわけではないが、今は自分のコンディションはよく分かっている」と闘志を燃やした。馬場も「(田中が)いるといないとで安定感が違う。何かやってくれる期待感がある」と仲間の復帰で、チームに一体感が生まれていた。

3試合戦った準決勝から中4日での試合に「準備の時間がもう少しあれば」と話していたパビチェビッチ監督だったが、CSで培ったチーム力で、相手の猛攻をしのいだ。レギュラーシーズンの対戦は1勝5敗と負け越していた、勝率8割超の千葉を破った。「対戦成績とかは関係ない。新しい大会と思ってチャレンジするだけ」と話していた田中のように最後の一発勝負を制した。

馬場は「技術の勝負ではなく気持ちの勝負だった。昨年と違ってワイルドカードからだったが、気持ちを切らさなかった」と喜びを表現した。