4月の全日本選手権で2連覇を飾った谷川翔(20=順大)が、合計254・363点で初優勝を飾った。全日本の得点を持ち点に争われ、得意のあん馬で落下したが、その後は踏ん張って逃げ切った。2位には兄航(22)が巻き返し、そろって世界選手権(10月、ドイツ)代表入りを決めた。3位の萱和磨(22)までが切符をつかみ、残る2人は6月の全日本種目別選手権(群馬)後に決定する。

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代表の3人は決まったが、いまは(18年世界選手権団体総合金、銀の)中国、ロシアと戦えるレベルにはない。6種目合計で85点を出せば国内では上位だが、世界でなら87点を越えていかないと個人総合争いができない。そのためには国内でどれだけ攻め抜けるか、難度の高い技に挑めていけるかが大事になる。

谷川翔はあん馬で落下したのは新技のアイヒホルンだった。ミスはしたが攻め抜く姿勢がある。本来の力を発揮してきた航と、2人とも潜在能力はすばらしい。そこに萱の安定感が加わる。世界選手権へは守りに入らない構成をどれだけできるか。この状況をどこかで打開していかないといけない。(04年アテネ五輪団体金メダリスト、日刊スポーツ評論家)