女子決勝で昨季ボルダリングW杯年間女王の野中生萌(22=XFLAG)が初優勝を飾った。

1種目のスピードでは、鍛え抜かれた下半身を生かしたダイナミックな動きで、唯一の8秒台を記録して1位。2種目のボルダリングでも1位となり、勝負を決めた。

第1回大会女王の野口啓代(29=TEAM au)を下しての複合優勝で、野中は「自信を取り戻せている。(得意の)スピードで1位になれたから、気持ちに余裕を持ってその後の種目に臨めた。今後もこういった試合展開をしたい」と白い歯を見せた。

3月に左肩を負傷し、復帰2戦目となった。懸命なリハビリに励む中、一時は自信喪失し、葛藤の日々が続いた。まだ、完治しておらず、状態も「8割程度」とするが、勝ちきった。「波が激しい人間」と自己分析し、その中でも「1つ1つの壁を登ってきてから今がある。今回は『自分のクライミングをするだけ』と決めていた」と前だけを見て臨んだ。

8月の世界選手権(東京・八王子市)で7位以内の日本勢最上位に入れば、20年東京五輪代表に内定する。「金メダルの先に五輪代表があると思っている。自分らしさを貫くだけ」と、世界女王になることを誓った。

男子は楢崎智亜(22=TEAM au)が2連覇を達成した。

 

以下、世界選手権代表。

▼男子 楢崎智亜、原田海(20=日新火災)、藤井快(26)、楢崎明智(20=ともTEAM au)、土肥圭太(18=鹿児島県連盟)

▼女子 野中生萌、野口啓代、森秋彩(15=茨城・つくば開成高)、谷井菜月(15=奈良・橿原学院高)、倉菜々子(18=ウィルスタッフ)