柔道男子日本代表の井上康生監督(41)が27日、全日本実業団体対抗(6月8~9日、群馬・高崎アリーナ)に出場する04年アテネ五輪男子100キロ超級金メダルで男子日本代表重量級コーチの鈴木桂治氏(38)にエールを送った。

グランプリ・フフホト大会(中国)から成田空港に帰国した井上監督は、7年ぶりに実戦復帰する鈴木氏について「柔道界を盛り上げる要素になると思う。一度引退して指導者の道を歩む鈴木先生が、現役の世界で楽しく柔道をする姿を見せてくれたら素晴らしいと思う。先生もやる気満々とのことなので、応援したい」と激励した。

鈴木氏は大会初日の6月8日、国士舘大OBの「国士舘大柔道クラブ」の選手として男子3部に出場する。井上監督は「ただ残念なのが…私が行けるのは(大会2日目の)日曜日のみで(会場では)応援出来ない」と肩を落とした。

13年の全日本実業団体対抗では、92年バルセロナ五輪男子78キロ級金メダルで強豪パーク24の総監督を務める吉田秀彦氏(49)が男子3部で11年ぶりに実戦復帰した。スター不在の柔道界を盛り上げるために一役買い、決勝までの6試合で5勝1分けの活躍を見せた。 現役時代の鈴木氏は、長い手足を生かした小外刈りや大外刈りなどの足技を武器に、井上監督の「最大のライバル」として知られていた。12年ロンドン五輪代表を逃し、同7月に現役引退。同年に日本代表のコーチに就任した。今年1月に右膝の手術をし、リハビリを経て本格的な稽古で追い込んでいる。「出るからには優勝」と気合十分の様子だ。