日本水連は30日、ユニバーシアード大会(7月4~11日、イタリア)の競泳代表32人のうち2人を出場資格がないままで選出して代表を取り消したことを発表した。対象は、女子自由形の青木智美(24=あいおいニッセイ同和損保保険)と寺村美穂(24=セントラルスポーツ)の2人。

日本水連は、4月の日本選手権後に代表を選出して派遣手続きに入ったが、日本オリンピック委員会(JOC)から、代表選出条件である「参加有資格者は大学在学中及び卒業2年以内」を満たしておらず、出場資格がないとの指摘を受けた。日本水連の上野広治副会長は「すべて水泳連盟のミスです」と謝罪した。

上野副会長の説明によると、17年の前回大会は「24歳まで(卒業後2年以内)」となっていたルールが、今大会から出場資格が「25歳まで(卒業後2年以内)」に変更になったという。英文を翻訳して代表選考基準を作る中で「25歳まで」と卒業後2年以内の文言が抜け落ちてしまって、25歳までに出場資格があると誤認。大学卒業後3年目で今年秋に25歳になる青木、寺村を選出したという。日本水連はこの日午前中、2人と所属先に代表取り消しを伝えた。

同代表には25歳の男子自由形松井浩亮(新潟医療福祉大職員)がいるが、松井は同大学4年→同大学院2年とすすみ、現在が卒業1年目のため出場資格を満たしている。

日本水連は、2人に代わる選手を選出しない。上野副会長は「エントリーや派遣手続きの締め切り期限の問題で追加はできないです。選考基準のミスなので、申し訳ないです」と重ねて謝罪した。

この日、ジャパンオープンの予選後に代表取り消しを聞いた寺村は「驚いたことは驚きましたが、前回(17年)は『社会人2年目(卒業後2年)まで』と聞いていたので(卒業後3年目で選ばれて)ルールが変わったのかなと思った。でもやっぱり(2年目まで)なんだという感じでした」と冷静な反応を見せた。その上で「ユニバーシアードに選ばれてうれしかったですが、やはり世界選手権が目標なので。それがとれていないのは4月の(日本選手権の)結果なので」と口にしていた。