ストリート男子で、白井空良(17=ムラサキスポーツ)が2位に入った。日本勢で唯一決勝に進出した白井は2本のランから高得点を出し上位に食い込むと、ベストトリックの最終5本目でこの日2回目の9・00をマーク。合計35・06で3位から2位に浮上した。

優勝したオーレリアン・ジロー(21=フランス)には0・37点及ばなかったものの、スーパースターのナイジャ・ヒューストン(24=米国)ら世界のトップを相手に堂々の滑り。ストリートのオリンピック(五輪)ポイント付与大会初戦となった5月のSLS開幕戦(ロンドン)での7位に続いて、白井がその実力を世界に披露した。

目標であり、憧れでもあったSLSを経験し、白井が一回り大きくなった。SLS決勝は「めちゃくちゃ緊張した」と話したが、この日はヒューストンと同じ舞台で堂々とした滑りをみせた。ラン1本目の8・66で3位につけると、常に上位をキープ。ベストトリックの最終5本目を決めると両手をあげて観客の声援に応え、日本代表の早川大輔コーチと抱き合った。

昨年SLSで3勝した堀米雄斗、タンパアマ優勝でSLSプロ入りを果たした池田大輔、アジア大会優勝の池慧野巨らの活躍に刺激され、もともと持っていた素質が開花。2本のランと一発勝負のベストトリック5本の計7本のうち上位4本の合計点で争う「五輪方式」も、大技を持つ白井のスタイルを後押しした。

常にスケート仲間の中心にいる明るい性格だが、シャイでもある。「別に考えていない。そうなったら、出るけど」と報道陣の前では東京五輪について無関心を装うが、周囲には「出たい」と話しているという。

東京五輪出場枠20人で1カ国最大3人。有力候補の堀米がケガのため練習不足もあって調子が出ず、池田も離脱中。ライバルがいない中、五輪ポイント対象大会で日本勢トップの7位と2位に入った。「楽しく滑れればいい」と話す白井が東京五輪に近づいた。