NBAドラフトが日本時間21日午前、米ニューヨークで行われる。1巡目指名が確実視される日本代表・八村塁(21=ゴンザガ大)はどこにいくのか。日刊スポーツのキャラクター「ブル男」が素朴な疑問をぶつける「NBAドラフトを知ろう」の最終回は、RakutenTV NBAコメンテーターを務める塚本清彦氏(58)に順位やチームを占ってもらった。

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Q(ブル男) いよいよドラフトだけど、八村選手の指名順位予想は

A(塚本氏) 1巡目の10~15位ぐらいかな。NBA公式HPで米メディア予想をまとめたが、ティンバーウルブス(11位)が1番多く、て4社だね。そのほかホーネッツ(12位)、ヒート(13位)などが有力だね。

Q 今年は混戦だとか

A そうだね。4位以下はだれが選ばれてもおかしくないよ。5月に有力選手を集めて体力測定などを行う「ドラフトコンバイン」があったけど、八村選手は招待されたけど参加しなかったんだ。選ばれる自信があったからじゃないかな。

Q どんなチームに行くのがいいの

A 若手の育成プログラムがしっかりしているヒートかな。13-14シーズンでファイナルに進出したが、レブロン・ジェームズが移籍し低迷が続いている。若返りを図るチームだけあって出場機会も増えるだろう。八村選手のポジション(パワーフォワード)が手薄なチームもチャンスがあるね。今年、ファイナルに進出したウォリアーズなど強豪に加入しても、出場機会には恵まれない。ほかに望むならラプターズかロケッツ。10月に埼玉でプレシーズンマッチをやる。凱旋(がいせん)になれば楽しみ。

Q 八村選手は活躍できるかな

A 1位指名が必ず活躍するとは限らない。マイケル・ジョーダンは3位、コービー・ブライアントは13位なんだ。順位よりも自分のプレースタイルに合うチームに行けるかどうか。今年のファイナルで、優勝したラプターズのロースター(出場選手枠15人)はドラフトで1ケタ指名の選手が1人もいなかった。八村がスターになるチャンスは十分にあるよ。

Q 彼にエールを

A 純粋にバスケットを楽しんでいる。それが大学で得たものではないか。日本で卵を温め、ゴンザガ大で鳥になり、羽ばたくところがNBA。その環境に順応する力を八村は持っていると思うよ。

◆塚本清彦(つかもと・きよひこ) 1961年(昭36)2月26日生まれ。兵庫県出身。育英高から明大卒業後、日本鋼管に入社。ポジションは主にポイントガードとして日本リーグ優勝2度、93-94シーズンにベスト5。96年引後。明大、法大の監督を経て、現在はRakutenTVでNBAの解説を行う

◆NBA 1946年に始まった世界最高峰のプロリーグ。東西のカンファレンスに分かれ、それぞれ3つの地区があり、米国29、カナダ1の30チームで構成。10月に開幕し、各チーム82試合を行った後、プレーオフを経て、6月のファイナルで王者を決める。最多優勝はセルティックスの17度。18-19シーズンはカナダを本拠地とするラプターズがウォリアーズを破って初優勝を飾った。