2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は20日、五輪チケット申し込みの抽選結果を発表した。公式販売サイトは大混雑し、待機人数は最大135万人、待ち時間は約3時間に達した。組織委は販売枚数や倍率などを明かしていない。日刊スポーツによる独自調査では、開会式チケットの当選確率は0・7%となった。

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日本列島が受験の合否判定を見るかのような1日だった。五輪チケットの当落を確認しようと、早朝からアクセスが殺到した。通勤時間帯の午前8時台には公式サイトに入るのにウエイティングルーム(待合室)に「101万1005人」との人数が表示された。

約300万円つぎ込んで1枚も当たらなかった人、5口当たった人などさまざま。SNSでは「外れた」「全落ち」「当たった」などと一喜一憂する書き込みが続いた。機械がランダムに当落を決めるため大会関係者も苦戦を強いられた。「30万円分応募したけど、1枚も当たらなかった…」と苦笑いする組織委役員もいた。

組織委によると今回、全式典・競技で抽選販売が発生したが次回以降、数は減る可能性はあるものの同様のチケット購入のチャンスは残されている。今秋に先着順販売、来春からは販売所が都内に設けられる。森喜朗会長は「外れた人には大変申し訳ない。個人的な思いとしては、外れた人がもう1度挑戦できたらなあと思う」と私見を述べた。

その“再挑戦”が現実となる可能性はゼロではない。組織委では、もう1度抽選を実施するかどうか以前から検討してきた。今回のアクセス殺到から分かるように、サイトがパンクする恐れがあるネット販売に、先着順が不向きではとの声があるからだ。

ただ、今回の抽選で購入率が極めて高い場合、後に残るチケット枚数は減る。そのため今回の購入枚数を見た上で、今後の販売方法を慎重に判断するとみられる。鈴木秀紀チケッティング部長は第2回抽選について聞かれ「それも含め具体的な方法を検討していく。できれば我々もたくさんやりたいが、まだ決まっていない(先着不向きの)課題も検討したい」と述べた。【三須一紀】