日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(71)が27日、任期満了で退任することが決まり、都内での評議員会後に取材に応じた。

開催に尽力してきた東京五輪開催1年前での退任は極めて異例となるが、招致活動を巡る疑惑でフランス司法当局が捜査を行うなどの問題が大きな批判を呼び、退任に追い込まれていた。

新理事を承認した評議員会の最後にも出席者への感謝の言葉を述べたが、取材でも、「これまで五輪ムーブメントの大切さを多くの方と共有でき、活動できたことを本当に幸せに思います」とまず始めに切り出した。続けて、「JOCのこれからの活躍は必ずすばらしいものになると信じていますし、新体制で、新しい時代にまたスポーツ界を引っ張っていってくれるものと期待しています」と語った。

疑惑について聞かれると、「疑惑ですか、特にお答えすることはないんですけど」と言葉少なに返し、今後のJOCとの関わり合いには「私ができるムーブメントへの協力があれば、なんでも協力したい」と前向きな姿勢をみせた。最後に、1年前での退任の無念さを問われると、「まあ、これが私の考えた結果ですから、何も後悔していません」と前を見据えて言った。

新体制では、全日本柔道連盟(全柔連)会長の山下泰裕氏(62)の新会長就任が確実となっている。