20年東京オリンピック(五輪)のテスト大会が今夏から本格化する第1弾として、近代五種のワールドカップが武蔵野の森総合スポーツプラザ(東京都調布市)で行われ、大会組織委員会は28日、テスト内容を報道陣に公開した。主に競技時間短縮のための場面転換と、馬場の芝生状態を確認した。

馬術から射撃&ランニングへの場面転換を簡略化。16年リオデジャネイロ五輪では、馬術で使う障害を全て撤去したが、今大会は東京五輪を想定し、15カ所中3カ所しか撤去せず、ランニングコースをつくった。大会関係者によると、全てを撤去するには約30分はかかるといい、今回は大幅に短縮し、約5分で競技エリアを転換した。リオでは全体で6時間15分だった競技時間を、東京では5時間15分に短縮するよう計画している。

選手にとって大きな利点になるという。12年ロンドン五輪女子代表の黒須成美さんは「会場で無駄な時間休んでいると疲労度を感じる。その時間が短くなることは選手にとって良いこと」と話した。

東京大会では1会場で近代五種を実施する。これまでは、2カ所以上で行ってきたため五輪史上初となる。組織委大会運営局の森泰夫次長は「会場を1つにすることで全ての種目が見られ観客の満足度が高まる。時間短縮も同様の効果がある。国際近代五種連合も納得している。競技運営の面で大きな自信になった」と満足げに話した。

他には記録機器や馬ふん処理のテストを行った。組織委からは約170人が参加し、約70人が施設に訪れた。