<テニス:ウィンブルドン選手権>◇2日◇ロンドン郊外オールイングランド・クラブ◇男子シングルス1回戦

錦織にとって芝コートの公式戦は昨年の大会以来1年ぶりだったが、まったく不安を感じさせないスタートになった。特に際立っていたのがボディーサーブへの対応力だった。

モンテイロは世界屈指の錦織のリターンを警戒し、特に第2サーブではボディー、体の正面へのコースを多用してきた。速い芝コートで左利き特有の軌道と回転に対応するのは簡単ではない。しかし錦織は瞬時にステップを踏み、フォアでもバックでも肘をうまくたたみながら体の回転を生かしてリターンし、チャンスボールにはしなかった。モンテイロの第1サーブの確率がセットごとに下がった要因もここにある。

初戦ということでストロークは無理にコースを狙わず、確実性を重視していた。ただ、モンテイロのフォアの強打を封じるためにバックにボールを集めるなどポイントを押さえて試合を運んでいた。右腕も問題はなさそうで、プレーのアベレージの違いが明確に表れた勝利だった。(亜大教授、テニス部総監督)