衝撃のプロデビューだ。NBAドラフト1巡目全体9位でウィザーズに指名された八村塁(21)が、ペリカンズとの開幕戦に先発、約34分間出場し、14得点を挙げた。第3クオーター(Q)には豪快にダンクを決めるなどチームの勝利に貢献。今後を占う八村のデビュー戦について、RakutenTV NBAコメンテーターの塚本清彦氏(58)が分析した。

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初出場で34分間もプレーできたこと自体、八村が認められた証拠だ。同じ試合で比江島は結果を残せず出場時間はわずか5分という厳しい世界。馬場も17分だった。八村がいかにすごいかが分かる。前半2点しか奪えず硬かったが、ハーフタイムを挟んで落ち着いてプレーしていた。

ダンクシュートは確かにすごかったが、それが生まれたのは、第3Q最初のミドルレンジからのシュートを決めたからだ。これが決まらなかったら、その後の八村にボールが回る回数が少なくなっていたかもしれない。得意の位置からフェイントも入れてしっかりシュートを決められたことで八村への信頼度が増した。

ディフェンスも良かった。5リバウンドに2本のブロック。NBAで昨季ブロック王のターナーは2・69本でタイトルを獲得しており、2本決めたのは素晴らしい。これ以外にもレイアップシュートを反則せずに止めるなど記録に残らないところでも貢献していた。

後半はローポスト、ビッグプレー、コーナーに開いてスペースを作るなど多彩にポジションを変えた。これはウォールやビールらチームの中心選手を生かすプレー。スター2人が見守る中で八村は戦術に適応する能力をアピールできた。

今後連戦が続くが、そもそも若い選手を発掘するのが目的のリーグ。今後出場しなかったとしても、それはチームが実力を認めたからともいえる。昨年の1巡目全体1位のエイトン(サンズ)はリーグ後半は出場していない。全体1巡目1位のウィリアムソンも初戦で膝を負傷して今後の試合には出ないが、これもプレーが良かったからという理由もある。

初戦でこれだけ結果を残せた八村は、開幕ロースター入りへの可能性を十分に示すことができた。