【ウィンブルドン=吉松忠弘】世界7位のシモナ・ハレプ(27)の夢がかなった。4大大会歴代最多タイの24度目の優勝を狙った同10位のセリーナ・ウィリアムズ(米国)に6-2、6-2のわずか56分でストレート勝ち。男女を通じて、ルーマニア選手初の優勝を遂げるとともに、今日15日発表予定の最新世界ランキングでは4位に復帰する。

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大会前のロッカールームで、ハレプはこんなことを言っていたという。「優勝して、このクラブの会員になるのが夢」。それが現実になった。凡ミスがわずか3本。伝説の女王セリーナにテニスをさせず、優勝の瞬間、両ひざをつき、「人生最高の試合だった」と歓喜に浸った。

人口約30万人のルーマニア第4の都市コンスタンツァで生まれ、4歳でテニスを始めた。10歳の頃、母タニアさんから「テニスを続けるなら、聖地で決勝に行かなくちゃ」と告げられた。その言葉を守り、初の決勝進出を初優勝につなげた。

父ステレさんがサッカー選手だったため、熱狂的なサッカーファンだ。ルーマニア最高選手といわれるハジに小さい頃はあこがれた。今はメッシとロナルドを尊敬する。4大大会のたびに優勝者が変わる大激戦の女子テニス界。その中でメッシやロナルドのように、伝説の選手を目指す。