男子シングルス世界ランキング17位の常山幹太(23=トナミ運輸)が同4位で12年ロンドン五輪銅、16年リオ五輪金の■龍(30=中国)を2-0のストレートで破る大金星を挙げた。

同1位の桃田賢斗、女子シングルスの奥原希望、女子ダブル志田千陽、松山奈未組らも順当に勝ち上がった。

常山は金メダリスト相手に勝利しても落ち着いていた。「1ゲーム目取れたので(リードされた)2ゲーム目も気持ちを切り替えたら、普通に勝っちゃいました」と周囲を笑わせる余裕があった。

勝利の裏にはしっかりとした戦略を持っていた。4月のアジア選手権で■(■は言ベンに甚)龍と対戦した時は0-2と完敗。前週のインドネシアオープンではタイ選手に1-2で敗れた。いずれも粘り負けした。この試合は「長いラリーで我慢すること」をテーマに挑んだ。

第2ゲーム中盤、逆転した常山は「相手の気持ちが引いていた」と勝負どころでの強打やネット際に落とすヘアピンなど多彩な攻撃を仕掛け、8連続得点で試合を決めた。終盤にはシャトルを変えたり、コートを拭いている間に体力を温存した。

1年後に迫った東京五輪。「出場すれば人生変わるし、新しい道が開ける」と意欲を見せる。常山は1位桃田、11位西本に次ぐ日本人3番手。2枠の出場権を勝ち取るには、今後の大会で結果を残し、世界ランキングを上げていく必要がある。「目の前の試合を全力で戦う」。東京五輪出場まで1つずつ勝利を積み上げていく。【松熊洋介】

 

※■は言ベンに甚