午後8時からの決勝種目は、男子50メートル自由形で塩浦慎理(27=イトマン東進)が登場する。日本人の決勝進出は01年福岡大会銅メダルの山野井智広以来18年ぶり。欧米選手が中心で日本人では戦えないとされてきた同種目の決勝に、日本記録保持者が堂々の登場だ。

予選は21秒78の全体5位、準決勝は21秒74の同7位で通過した。塩浦は世界のトップ8に残って「人生何が起こるか、わからないですけど、あきらめずにやってよかった。半年前はこの大会に出られるとも思ってなかったので今は楽しいです」と感慨深げに言った。

昨夏のジャカルタ・アジア大会後にのどの手術を行うなど、約4カ月も休養を余儀なくされた。2度の入院で体重も10キロ近く落ちた。じっくりと考える時間ができたことで泳ぎを見つめ直した。「力に頼った泳ぎをしていた。少し雑だった」。日々の練習も「ウエート7、スイム3」の割合から「ウエート3、スイム7」にチェンジした。4月の日本選手権で21秒67の日本新記録を樹立していた。

今大会も競泳第1日の21日に400メートルリレー予選で泳ぎだした直後に頭がふらふらする症状が起きて、日本が決勝進出を逃す原因となった。「完全に僕の責任」とうなだれた27歳だったが、大会残り2日になってスプリント世界一を決めるスタート台に立つ。

もちろん世界の壁は厚い。しかし一番端の8レーンから一気に銅メダルを獲得した18年前の山野井の例もある。塩浦は「山野井さんの映像は何度もみていて。決勝は勝負できるところなので、何としても自己ベストを出して。そうすれば、順位も上がってくる」と意気込む。

非五輪種目の混合400メートルリレー決勝も日本が登場。予選は男子の松元、男子の中村、女子の青木智、女子の佐藤の順番で泳いで3分25秒41で全体の7位通過。決勝でさらにタイムを上げる。