ビーチサッカー日本代表のラモス瑠偉監督(62)が28日、来年に東京五輪を控えるビーチバレーにエールを送った。東京・品川区の潮風公園で五輪テストイベントとして行われているワールドツアー東京大会に大会のアンバサダーとして来場。「ブラジルにいた時は女の子と一緒に、よく遊んだよ」というビーチバレーについて、熱く語った。

「日本選手が早々と負けたのが残念。みんな戦っていない」と、まずは1次リーグですべて姿を消した日本勢をばっさり。「女子の石井(美樹)と村上(めぐみ)は好きで応援していたんだけど。小柄だけど動きが速くて、良かったのに負けた。東京の大会だから、残ってほしかった」と悔しそうに言った。

さらに、大会運営についても苦言。「やっぱり暑さはすごい。選手も大変だけど、観客も心配」。東京都や大会組織委員会は「暑さ対策」としてさまざまな施策をテストしているが「スタンドに水をまくのが一番。観客も盛り上がるし、会場の一体感も増す」。

親交のある日本バレーボール協会ビーリバレー強化委員長の川合庶氏(53)が「観客が水着のビーチならぬれてもいいけれど、ここでは無理なんです」と説明すると「ぬれたって、すぐ乾く。消防車で散水するわけじゃない。ミストをまけばいい」と言い放った。

運営についても、苦言を呈した。「試合と試合の間が何もない。これじゃみんな帰るよ。私だって帰りたくなる」。前日は川合氏とともにフットバレー(足や頭でボールを扱うバレーボール)を披露。スタンドを楽しませた。「空き時間に何かやらないと。楽しければ、熱中症にもならない。タイのセパタクローなんかもいい」と独自のアイデアを口にした。

サッカー愛、ヴェルディ愛、日本愛と、愛するがゆえに思ったことをストレートに発言する。ビーチサッカー日本代表監督としての「ビーチ愛」も強い。だからこそ「ビーチバレーが盛り上がれば、ビーチサッカーも注目される。同じビーチのスポーツとして発展していきたい」と話す。

ビーチサッカー日本代表は25日に兵庫県明石での合宿を終え、8月にはポルトガル遠征、9月に国内で強化試合をこなした後、11月にはパラグアイでのW杯に臨む。W杯での過去最高位は、自身が監督を務めた05年大会のベスト4。「目指すのは、それより上。(世界王者の)ブラジルともいい試合ができるようになってきた」と自信をみせた。

表彰式でプレゼンターを務めたラモス氏は、閉会式でEXILE・MAKIDAIさんのDJに合わせて踊った。「昨日は砂の上でダンスして、お客さんも盛り上がった。何で今日はダメなの? 砂が荒れる? 均せばいい。冗談じゃないよ。何を考えてるの」。怒りをぶちまけながらも、愛情たっぶりにビーチスポーツを楽しんでいた。