【光州=益田一弘】女子個人メドレーの大橋悠依(23=イトマン東進)が、2大会連続のメダルを獲得した。400メートル決勝は4分32秒33で銅メダル。前回大会の200メートル銀メダルに続く表彰台となった。今大会は22日の200メートル決勝では平泳ぎの泳法違反によって失格。失意から中5日で迎えた本命種目で立て直した。最終日に女子で今大会初のメダル。競泳日本代表は今大会で金2、銀2、銅2のメダル6個を獲得した。

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大橋は「鉄の女」ホッスーと競り合った。最初の100メートルはトップでターン。最後に突き放されて、銅メダルになったが「前半からホッスー選手といいレースができた。置いていかれたけど『足がもげてもいい』と思って泳いだ。メダルは素直にうれしい」。

まさかの失格から立ち直った。22日の200メートル個人メドレー決勝。平泳ぎのターンでドルフィンキックを2度打ったとして泳法違反で失格。両手で顔を覆って号泣。出場の選択肢があった混合400メートルメドレーリレーも不出場。「気持ちがこの5日間、ヘロヘロで予選落ちもあるかなと思った。失格は実感がなくて…」。

米高地合宿で過酷な練習に耐えてきたが、失格がなくても2分9秒36で6着だった。「なんで何だろう」。昔の泳ぎを映像で見ても「これはできない」と涙がこぼれる。「自分を卑下して前向きになれない。自分を全然ダメと思って。普通に生活するのも苦しい」。

レース前日の27日、朝の練習で試合会場を訪れた。村松競泳副委員長に「泣いてもいいんじゃない。自分のがんばりを無駄にしないレースをしないともったいない」と言われて胸に響いた。「このままの自分でいいと思って楽になった」。

無印マークで突っ走った2年前とは違う。平井ヘッドコーチが「ここから立て直したら大したもんだ」という危機。メダル候補として失格から復活の表彰台。「プレッシャーと闘って、粘って最後にメダルがとれた。今までの試合の中でも思い出に残る試合になった」。最後に勝ち取ったメダルが東京への道しるべだ。