レスリングでリオデジャネイロオリンピック(五輪)銀メダリストの太田忍(25=ALSOK)が6日、ロシアで行われた招待試合から帰国した。

五輪3連覇の英雄、アレクサンドル・カレリン氏の財団による主催大会にグレコローマンスタイル63キロ級で参戦し、4試合をテクニカルフォール勝ちして優勝。式典では同氏とも初対面した。

「スーツだったので、タックルはやめました」。開催地のノボシビリスク出身の「霊長類最強の男」に会えたら、“ロシアンジョーク”でタックル一発をもくろんでいたが、「ジャージーだったらやったのになあ」と惜しくも自粛。「でかい。ただ、でかい」と存在感は感じたという。試合ではレスリング熱を感じる場面が多く、名前を呼ばれて握手や記念撮影を求められるなど、「ちょっとスター気分を味わえた」と有意義な時間になったようだ。

太田は主戦だった60キロ級での現時点での東京五輪出場の可能性が厳しくなっており、1つ上の67キロ級を視野にし、世界選手権(9月、カザフスタン)へ向けて新階級に挑戦中。先月にベラルーシで開かれた国際大会から連勝し、階級の壁を感じさせない強さをみせている。7日からは群馬県草津町での日本代表合宿が始まる。「地獄を見てきます」と調整を進める。