柔道男子日本代表の井上康生監督(41)と同女子の増地克之監督(48)による柔道教室が6日、東京・文京区のシビックセンターで行われた。25日から日本武道館で開催される世界選手権に向けたイベントだが、画期的だったのは会場。地下鉄駅に直結する「区民ひろば」に畳を持ち込み、学生や会社員ら一般の人にも柔道の魅力と東京五輪前哨戦をアピールした。

「柔道教室」というと道場や体育館などで真剣に行われる「堅い」イメージ。しかし、この日の「教室」は終始笑顔に包まれた。タレントの松山三四郎が軽妙なトークで進行。最初こそ区内と熊本県から集まった小学生16人を相手に両監督が自らの得意技を伝授するなどしたが、その後は子どもたちに投げられ、押さえ込まれるなど笑顔が弾けるイベントとなった。

通りがかった一般の人も「柔道やってる」「井上監督だ」と帰宅の足を止めて観覧。吹き抜けの上階からイベントを見下ろす人もいた。男子代表の合宿を終えたばかりの井上監督は「柔道というグループの中での活動だけでなく、一般の方へどう広めるか。今後の柔道界の課題でもある」と画期的なイベントに前向き。女子代表合宿が始まったばかりの増地監督も「こういうイベントを数多くやり、柔道を広めることが大切」と話していた。