登る高さを競うリードで、女子の森秋彩(あい、15=茨城県山岳連盟)が、予選2位で15日の準決勝に進出した。自慢の持久力を生かして、第1課題を完登、第2課題もトップ寸前の高さ39+を獲得。リードのスペシャリストが勢いに乗って頂点を狙う。

ボルダリング銀の野口啓代(30)同5位野中生萌(22)ら5人が予選突破。男子は同金メダルのエース楢崎智亜(23)が予選トップタイにつけるなど、5人が準決勝に進出した。

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15歳の森が、堂々の予選2位通過を果たした。16年に12歳でリードジャパンカップを制した天才少女が、世界の舞台でも躍動した。「ホッとした。簡単に優勝できないと思いますが、可能性はなくはないと思います」と口にした。

ボルダリングは予選敗退。13日の準決勝、決勝はスタンド席で観戦した。「今までは悔しいから見ないようにしていた。でも見ることで得ることがたくさんあると思った。見ると(選手が)すごく楽しそうだった」。最近は失敗したくないというネガティブな感情を持つことが多かったという。観客席から選手が生き生きと世界の頂点を争う姿を見て、原点を思い出した。

同じ茨城出身の第一人者、野口が「リードの持久力、落ち着き方とか私にないものがある。参考にしている」と評する15歳。すでにW杯表彰台経験がある森は「楽しんでベストを尽くせば、結果もついてくる。気負わずにやりたい」と口にした。【益田一弘】