18日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦決勝がツインリンクもてぎ(栃木県)で行われ、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が初優勝を飾った。

気温37度、路面温度は49度という非常に暑いコンディンションの中で行われた決勝は、ポールポジションのアレックス・パロウが序盤をリード。

ソフトタイヤのグリップ低下に苦しむパロウを23周目に2位スタートの平川が捕らえ、平川は37周目にソフトからミディアムに交換する1ストップ作戦で逃げ切った。

2013年にスーパーフォーミュラにデビューし16・17年のヨーロッパ挑戦を挟んで2018年に復帰してから2年目、計5シーズン目での初優勝に平川は感謝の言葉を述べた。

「自分がうれしいというよりは、感謝の気持ちの方が大きいです。これまでなかなか結果が出ていない中、チームは頑張ってくれましたし、周りで支えてくれているスポンサーの方々、ファンの皆さん、家族が信じて応援してくれていたので、その思いが決勝レースでも力になってくれたかなと思いました」(平川)

1周2〜3秒もペースの遅いミディアムタイヤを使う周回数をできる限り少なくしようと、1周目に3台がミディアムタイヤからソフトタイヤに交換したのを皮切りに14周目までに半数の10人のドライバーがタイヤ交換義務を消化。ミディアムに交換してわずか1周で再びソフトに交換するドライバーも現われるなど、ソフトタイヤを2回使用する2ストップ作戦を採ってでもミディアムの使用を避けるチームも見受けられた。

予選7位の小林可夢偉(KCMG)はスタートで4位に浮上し、41周目までソフトタイヤでの走行周回数を長くしてジャンプアップに成功して2位。12位スタートのニック・キャシディ(KONDO RACING)は4周目にピットインしミディアムタイヤを捨ててソフトに履き替え、大きくジャンプアップして3位に入った。選手権リーダーでありF1日本GPフリー走行出走を目指す山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)はスタートでエンジンがストールしてピットスタートを余儀なくされ、9位までばん回したもののノーポイントに終わってランキングトップの座をキャシディに譲ることとなった。これで今季は5戦で5人目の勝者が誕生するという混戦状態となり、選手権争いは残り2戦へと向かう。(山根玄紀通信員)