【バーゼル(スイス)=松熊洋介】男子シングルス1回戦で世界ランキング1位の桃田賢斗(24=NTT東日本)が同105位のカオ・クン・パーム(ベトナム)を21-9、21-10の2-0で下し、連覇へ好スタートを切った。

混合ダブルスでは、保木卓朗(24=トナミ運輸)永原和可那(23=北都銀行)組が、スコットランドのペアに21-13、21-17のストレートで勝利し、2回戦に進出した。

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連覇を狙う桃田が上々の滑り出しを見せ、日本代表に勢いを付けた。「緊張した」という第1ゲームではスマッシュがアウトになって、顔をしかめるシーンも。リズムを作るのに時間がかかったが、焦らずに強打とネット前に落とすヘアピンを繰り返し、相手のミスを誘った。

わずか34分での完勝に「積極的に出て行ったのが良かった。ヘアピンにもうまく対応できた」と振り返った。スイスにもファンが多く1回戦から「モモタ」コールが起きた。桃田は「聞こえてました。ホームのような雰囲気でプレーできてうれしい」と喜んだ。

前日の練習から笑顔を見せるシーンも多かったが、それはしっかり準備してスイス入りした証しでもあった。前日会見でライバルを問われた桃田は「1回戦から自分のプレーをすれば相手は関係ない」と自信をのぞかせていた。朴柱奉監督も「普段の世界ツアーと全然違う。桃田はその意味を分かっている」。今大会はライバルの石宇奇(中国)やアクセルセン(デンマーク)が不出場。優勝の期待がより一層高まる。ジャパン・オープン後に痛めた左太ももの肉離れが心配されたが「完治して問題ない」と言い切る。盤石のスタートを切った桃田には死角が見当たらない。