【バーゼル(スイス)=松熊洋介】世界ランキング4位の奥原希望(24=太陽ホールディングス)が21-12、21-15でコセツカヤ(ロシア)を破り、3回戦に進出した。

午後9時を回り、会場内は奥原の試合のみとなった。静寂に包まれる中「ハイッ!」という大きな声を出して気合を入れた。序盤から珍しく強打を連発した。20センチ近い身長差をものともせず、相手の返しが甘くなったところで思いっ切りコートに突き刺した。中盤以降リズムをつかむと8連続得点で第1ゲームを奪った。第2ゲームも15点を奪われたが、終始自分のペースで試合を進め、ストレートで初戦を突破した。

試合後奥原は「風に戸惑って2ゲームとも出だしは苦しんだけど、後半修正できた。動きは悪くないので、徐々に調子を上げていけたら」と振り返った。最近、自分自身で納得いくプレーができていないという奥原だが「結果が出なくてというより、プレーでの駆け引きができなくてモヤモヤしているが、策は練っているし、課題にも取り組んでいる」と徐々に良くなってきている。

次戦は世界ランキング11位韓国のソン・ジヒョンと対戦する。「世界のトッププレーヤーで一気にレベルが上がる。やってきたことがいかに通用するか。感触がつかめたら結果は付いてくる」と自信をのぞかせた。山口、大堀、高橋沙が敗れ、奥原に掛かる期待も大きくなる。最後のとりでとして日本の女子シングルスの火を消すわけにはいかない。