試合を終えていた八村も応援する中、世界ランク10位の女子日本代表が同39位の台湾に実力差を見せつけた。91-59で完勝。コートの主役はリオ五輪以来3年ぶりに代表の公式戦に復帰したWNBA経験者の渡嘉敷来夢(28)だった。

まずは第1Q立ち上がりに猛攻の口火を切る先制シュートを決めると、高さと力強さにフットワークの軽さも見せながら攻守に躍動。23分間のプレータイムで10得点、6リバウンド、4アシストと分厚いスタッツを残した。

「久々で緊張したけど、個人としては悪くなかった。相手がプレスをかけてきたときにパスを出してアシストもできた」と手応え十分。東京五輪の金メダル獲得を目指してホーバスHCが導入した、全ポジションの選手が3点シュートを打つ新システム「ストレッチ5」についても「(8月中旬の)中国遠征では3点を決めることができた。慣れてきた」と笑顔だ。

もっともチーム全体としては、第2Qに17ー22とリズムを崩した時間帯があった。ホーバスHCは「試合の中で波があった。目標は40分間良いバスケをすることだがきょうは30分くらいだった」と反省点を挙げる。

会場では男子の試合の半数近くのファンが残って観戦した。その中で「世界に近いのは男子より女子」とばかりに猛アピールした女子アカツキファイブ。国内での代表マッチは実に5年ぶりという渡嘉敷は「女子も男子に負けずついていきたい」と高らかに言った。【矢内由美子】

◇185センチの長身シューターの誕生だ。20歳の新鋭・赤穂ひまわりがチーム最多の15得点をゲット。速攻やミドルの2点シュート6本をすべて成功させる好調ぶりでフレッシュな力をアピールした。「以前と比べると思い切りプレーできるようになった。気持ちが変わった」と力強い。赤穂が入ることで162センチのPG町田を除いた先発4人の平均身長は186・5センチ。ホーバスHCは「冗談抜きに3週間前はメンバーに入るか分からなかった。これが続いたら楽しみ」と目を細めた。