世界ランキング2位の清水希容(25=ミキハウス)が2度の演武の末、同1位のサンドラ・サンチス(スペイン)を破って優勝した。

世界のトップを競い続ける2人は、お互いに得意とする「チャタンヤラクーサンクー」を打ち合った。結果は27・68点の同点で再演武(タイマッチ)に。清水は「オヤドマリノパッサイ」で27・74点をたたき出し、「スーパーリンペイ」で27・48のサンチェスを振り切り、4月のトルコ・ラバト大会以来2大会ぶりの優勝を飾った。

昨年11月の世界選手権(マドリード)でサンチェスに3連覇を阻まれた。その後、プレミア、シリーズAの国際大会決勝で6度続けて対戦し、2勝4敗。常に得点は僅差で「いつかはタイマッチがあると思っていた。それがまさか東京とは…」。清水自身も驚く展開だった。ただ、東京五輪で高得点を稼げる形を増やすために今年から「パッサイ」の準備を開始。これまでにも2度大会で試すなど完成度を高めてきたことが勝利につながった。

「何も考えられずに演武したました。『気』のところが審判に伝わったと思います」と別人の笑顔を見せたが、すぐに「気負いすぎて1本目で決められなかった。微妙にはずむコートにバランスも崩した」と表情を引き締め直した。宿敵を倒して五輪金メダル-。リハーサルは完了した。