女子で世界選手権代表の白井璃緒(19=東洋大)が、今大会3種目で自己ベストをたたき出す大活躍を見せた。

個人では200メートルの背泳ぎと自由形、リレーでも3種目のVに貢献。「5冠」でチームをけん引。今夏の世界選手権は不完全燃焼で悔し涙を流したが、その無念をぶつけた。総合優勝は、男子が白血病で闘病中の池江璃花子(19)が応援にかけつけた日大、女子が日体大となった。

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最後までチームを引っ張った。白井は最終種目の800メートルリレーで第1泳者を務めた。2位に1秒以上の差をつける1分57秒58で引き継いで、優勝への流れを作った。これで今井月とともに個人2種目、リレー3種目の5冠を手にして「達成できてよかった」と納得の表情。自己ベスト祭りだった。今大会は200メートル背泳ぎ2分7秒87、100メートル自由形54秒34、同背泳ぎ59秒43と3種目で自己記録を更新。泳ぐたびに記録が伸びて「楽しいです」と充実感を漂わせていた。

夏の悔しさがある。韓国での世界選手権は200メートルの自由形で決勝進出も、背泳ぎは予選敗退。自己記録から約6秒遅れで力を出し切れずに「気負いになってしまったかな」と号泣した。帰国後も気持ちを緩めずに練習を継続。平井コーチから、背泳ぎで腕で水をかき終える時に腕と同じ側の腰を少しだけ上げるアドバイスを受けてタイムを短縮した。大活躍の大会に「点数をつけるなら90点。今後につながると思う」と笑顔で口にした。