平野対ホワイト! 冬季五輪を沸かせたスノーボードの対決が、スケートボードで実現した。

ハーフパイプ五輪連続銀メダルの平野歩夢(20=木下グループ)と五輪3大会金メダルのショーン・ホワイト(33=米国)が、予選に登場。ソチ五輪の「雪上の激闘」から1年7カ月ぶりの対決が競技を変え、コンクリートの上で実現した。

最初に東京五輪挑戦を口にしたのは、ホワイトだった。昨年2月のソチ五輪で金メダルを獲得後「東京五輪挑戦」に言及。8月からはスケートボードの大会に出場して「板ならし」をしていた。しかし、挑戦は決して順調ではなく、今年始まった五輪予選の対象大会も今大会が初出場だった。

平野は昨年11月、東京五輪挑戦を明言。今年3月と5月の国内大会で日本代表の座をつかみ、五輪予選対象の2大会にも出場した。当初はスノーボードとの違いに戸惑ったが「誰もやったことないことをやるという挑戦を楽しみたい」という言葉通りに着実に成長。五輪出場が見えてきた。

平野は79・50で5位、ホワイトは77・37で13位。72選手中19位までの予選突破を果たし、シード選手と対戦する準々決勝に進んだ。ホワイトは自身のツイッターに「アユムと一緒に予選を通過した!」とツーショットの写真とともに投稿。喜びをあふれさせた。

東京五輪出場選手(各種目男女各20人)は、来年の世界選手権(上位3人)と競技を統括するワールドスケート(WS)の五輪ランキングで決まる。今大会はランキングを決めるポイント付与大会。パークは6月と7月にも予選対象大会があったが、世界選手権は獲得できるポイントがけた違い。ここで上位に進出すれば、五輪にも近づく。

平野はここまで五輪ランキング32位。日本勢では15位の笹岡建介に次ぐ2番手につける。国別の五輪出場選手数上限3でランク付けすると、平野は17位。2戦を終えた時点で五輪圏内にいて、冬夏出場も現実的になってきている。

対して、ホワイトは厳しい。米国はスケートボード大国で、20位以内に8人もいる。スケートボードでもXゲームで2度優勝しているホワイトだが、いずれもハーフパイプのようなバート種目でのもの。今回のパークとはまったく違う。

もっとも、まだ予選は始まったばかり。2人の挑戦はまだまだ続く。ホワイト対平野、多くのファンや関係者が待つスケートボード対決が実現するのか、来年5月末のランキング確定まで世界の目が2人に注がれる。