男子ショートプログラム(SP)首位の羽生結弦(24=ANA)が、フリーで180・67点を記録し、合計279・05点で優勝した。

最初の4回転ループ、そして4回転サルコーを何とか回りきると勢いに乗った。その後も2度の4回転、3回転半ジャンプでしっかりと着氷。トーループで回転不足を取られたが、ステップとスピンで得点を積み上げ、他の追随を許さなかった。

まさに貫禄の優勝。演技を終えると、大歓声の中、何度もうなずきながら充実した表情を浮かべた。

この日午前の公式練習では、前日のSPで失敗した4回転サルコーを3本成功させて好調ぶりを伺わせたが、4回転ループは1度も成功させていなかった。しかし、フリー直前の6分間練習では4回転ループを完璧に着氷。トーループとサルコーの4回転ジャンプも決めるなど、数時間で調整してきた。

SP、フリーは昨季と同じ曲を使用。前日のSP「秋によせて」では、冒頭の4回転サルコーを失敗した。昨季の再演がゆえに「いつもの初戦とは違って、自分の中で完成形が見えている状態で挑んでいる試合。ノーミスできないとすごい悔しい。練習で作ってきた完成形を本番の舞台でしっかりと出し切れるように、それ以上のものが出し切れるようにということを意識しながら、この試合のフリーに臨みたいなと思います」と、2季目のフリー「Origin(オリジン)」に向けて意気込んでいた。