男子グレコローマンスタイルで五輪階級の予選ラウンドが開始し、日本勢3人はいずれも準々決勝まで進むことができずに敗れた。今大会は東京五輪の予選を兼ねており、日本代表は表彰台で内定、5位以上で出場枠を獲得できる。

67キロ級の高橋昭五(24=警視庁)は初戦の2回戦を5-0で突破したが、3回戦でデンマーク選手に逆転負けした。2戦連続で寝技姿勢での俵返しをさく裂させて1ピリオド中盤までに5-0と大量点を稼いだが、「大丈夫だと思ってちょっとしたすきができた」と猛省。攻め込まれて失点を重ね、5-13でテクニカルフォール負けした。「誰よりも練習をしてきた。あんな形で負けて情けない。一瞬で終わるんだな」と涙に暮れた。ショックは大きく、「誰かパスポートを捨ててくれないですか。帰れないです、日本に」と吐き捨てるように言った。

87キロ級の角雅人(25=自衛隊)は初戦となった2回戦でギリシャ選手と対戦。前半は1-0とリードしたが、「相手のゆっくりした組み手に合わせてしまった。攻める展開でしたが、もっとがつがついかないといけなかった」と従来の課題が露呈した。第2ピリオドは1分過ぎに深く差し込まれると、そのまま反り投げをくらってフォール負け。「組まれたときの投げも準備してきたが、相手の形になって反撃する形じゃなくなってしまった。しっかり逃げて、組み立て直せば…」と判断ミスを嘆いた。

97キロ級の奈良勇太(23=警視庁)は初戦をフォール勝ちも、3回戦の相手は昨年覇者のエブロエフ(ロシア)。消極的とされて寝技の受け身に回ると、一気に浮かされ、投げられ、そのままフォール負けした。「胸を借りるつもりで行った。どのくらい1位と差があるのか確かめる試合でした。すごい差がトップとはある」と痛感させられた。

高橋と奈良は負けた相手が決勝に進めば、敗者復活に回れる。角は敗退が決まり、東京五輪の出場の可能性は来年3月のアジア予選(中国)に持ち越しとなった。