山形銀行の単独で出場した成年女子の山形が愛知に70-71の1点差で敗れ、4年ぶりの優勝を逃した。一時は12点差あった逆境から第4クオーター(Q)残り9秒9、深井夢主将(24)の3点シュート2連発で同点に。だが、相手ゴール下のリバウンドで痛恨のファウル。決勝のフリースローを決められた。

深井は「最後の2本は『ここで決めなきゃシューターの価値がない』と思っていた。成功させたのは良かったですが、負けたら意味がない」。華麗なプレーで魅了することから付いた愛称「ハナ」の名の通りに貢献も、涙を流して悔しがった。

今大会は愛媛との1回戦から苦しみ抜いてきた。前回優勝を唯一経験している赤川愛(29=写真は題字)のブザービーターで逆転1点差勝利で発進。悪い内容の連続に、準々決勝後の5日夜、同主将がミーティング後に選手全員をトレーナー室に集めた。たまっていた個々の思いをぶつけ合った。「一番は(山口沙知)マネジャーが泣きながら『勝ちたい』って伝えてくれたことで、みんなの思いが1つになった」と感謝した。

深井は山形市役所支店に勤務。お客様を訪問し、バスケ談議に花を咲かせながら営業活動する。「公務員の方、銀行の方、みなさんが応援してくれることを感じる国体は特別な大会」。バスツアー、パブリックビューイングなどの後押しも受けた2位。今季6人が新加入した若きチームが、納豆の地・水戸で粘って粘って結束した。【鎌田直秀】