少年男子決勝は、宮城(選抜)が60-88で福岡(選抜)に敗れ、19年ぶりの優勝を逃した。

今大会からU16(16歳以下)に出場資格を変更して初開催。明成のU16日本代表候補5人が試合終了まで交代なしの先発フル出場し、菅野ブルース(明成1年)は両チーム最多25得点の活躍を見せた。早生まれの2年生が多い相手の経験値と、外国人留学生の高さに完敗。チームを引っ張った加藤陸主将(明成2年)らを含め、全国選手権宮城予選(19、20日)に向けて、大きな課題を体感出来た2位だった。

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明成の5人だけで40分間を戦いきった。試合終盤は点差を離され、「ポスト八村塁」と称される山崎一渉(いぶ、明成1年)の3点シュートや、菅野のドライブに追い上げを託したが、流れを引き戻せずに試合終了。第4クオーター(Q)に3点シュートを2本続けて決めた一戸啓吾(明成2年)は「優勝を目指してやっていたので悔しい。自分の持ち味は集中力と徹底力ですが、周りを生かすことを、まだまだ練習していかないといけない」と肩を落とした。

出だしは良かった。菅野のジャンプシュート、山崎紀人(明成1年)のドライブで4点を先制するなど、第1Qは17-15。だが第2Q以降、相手が今大会初めて繰り出した前からの積極的な守備に動揺を隠せなかった。一戸は「プレスにかからないように運ぼうと思ったけれど、逃げてしまった。迷ってパスやドリブルの判断も遅くなった。向こうはスイッチの強弱がうまくて引いてしまった」。パスや判断のミスが相次ぎ、同2Q開始から5連続失点。第3Qも13連続失点を喫するなど、一気に21点差に広げられて打つ手が消えた。

明成が全国総体から戻った8月上旬に、国体選抜チームが結成された。各校の事情やテスト期間なども重なり、本格始動は9月中旬の茨城遠征からだった。強豪の土浦日大(茨城)や、東京、新潟、茨城などの国体チームと実戦を重ねて強化。今大会も初戦から90得点前後を続けるなど、攻撃力は全国に通用。攻守にわたる対応力不足や、流れを変える意識など、チームに戻って仲間にも還元するつもりだ。

19日には全国選手権(12月23日開幕、東京)の出場を懸けた宮城県予選が始まる。3年生を加えたレギュラー争いは激しいが、経験を次につなげなければ意味がない。加藤主将は「全国上位はどこも留学生がいるので、そこを打開しないと勝てない。リバウンドとか戦えている部分もあるので、強度を高めていきたい」。全国総体3回戦敗退、国体決勝の大差。教訓を糧に、再び頂点を奪って悔しさを晴らす。【鎌田直秀】

○…宮城の紺野太典監督(古川学園監督)が一体感を生んだ成長を強調した。阿部大和(利府1年)、木村祐誠(東北学院1年)ら4人が明成以外から選出され「決勝は明成のスタートメンバーがフル出場だったが、全員がしっかりと準備してくれた」。食事の準備や、ベンチでの裏方役なども務め「宮城チームとして出来たことを称賛したい。各チームの強化にもつながると思う」と期待を寄せた。