F1日本GPのフリー走行1回目には山本尚貴がトロロッソ・ホンダから出走。全20台中最多の30周を走行し、危なげのない走りでチームのプログラムをこなし、トップから3.287秒遅れの17位、チームメイトのダニール・クビアトの0.098秒差というタイムを記録してみせた。「できるだけの準備はしてきたものの自分の力と自分の準備が充分なのか正直言って不安なところもいっぱいあったんですけど、チームの助けもあって大きなミスもなく終えることが出来ました。ポジションとしては下位に沈んでしまいましたしダニー(ル・クビアト)にも負けてはしまいましたけど、チームのデータ比較に使えるくらいの速さで走れて良いパフォーマンスをほんの少しだけ示せたかなと思います」

F1マシンで最も驚いたのは1000馬力に迫ろうかというパワーだという。「尋常じゃないパワーでした。こんなパワーを体験したことはなかったので、それが最大の違いでしたね。これを言葉で表わすことはできないですね。ロケットに乗ってるみたいで、こんなパワーでレースをやってるのかと思うと、改めてF1ドライバーに対する尊敬の念が湧いてきました。今までは憧れの舞台だったけど、ものすごく身近に感じることができたし、もっともっとF1を知りたいなと思いました」

山本のもとには海外メディアも多数取材に訪れ、今後のF1ドライブのチャンスにも注目が集まるが、山本は慎重な見方を見せた。「今はまだFP1を終えたばかりですし何とも言えません。まずはこのセッションのことをチームと話し合い、今後のことはレッドブルやヘルムート・マルコさんと話しあっていくことになります。まだスーパーフォーミュラとスーパーGTはそれぞれ1戦ずつ残っていますし、スーパーフォーミュラの方はチャンピオンの可能性も残っているので、まずはそのタイトルを獲得することに集中したいと思います」(米家峰起通信員)