【シュツットガルト=阿部健吾】種目別決勝後半が行われ、男子の平行棒で萱和磨(22=セントラルスポーツ)が14・966点で銅メダルを獲得した。

15年大会のあん馬の銅に続く表彰台で、日本男子の個人メダルなしの危機を救った。鉄棒は橋本大輝(18=市船橋)が4位だった。女子は平均台と床運動でシモーン・バイルス(米国)が優勝して5冠達成。金メダルは歴代最多19個に伸ばし、通算メダルは男子のシェルボを抜く単独最多の25個とした。12日の男子あん馬で萱は5位、橋本は最下位9位だった。

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感情が爆発した。今大会20種目め、最後の演技でメダルが決まると、萱は顔をくしゃくしゃにして涙した。「自分が個人のメダルを途切れさせるにはいかなかった。完璧」と誇った。97年大会から続く日本男子の伝統、個人の表彰台をつないだ(米中枢同時テロの影響で不参加の01年大会除く)。序盤から倒立技などを決め、最後はF難度「前方抱え込み2回宙返りひねり降り」で着地をぴたりと止めた。代名詞の大きなガッツポーズも今大会20回目の爆発。「泥臭い練習をしてきて、試合は1分や一瞬で終わる。うれしさが爆発する」。大会中も誰よりも早く練習場に入り、帰るのは最後。以前は脚が開いていた平行棒の降り技は、この日は閉じていた。それも日々の泥臭さの実りだ。「日本を引っ張りたい」。その言葉を最後まで体現した。