【ワシントン22日(日本時間23日)=奥岡幹浩】スーパースターへの第1歩を踏み出す。NBAウィザーズのドラフト1巡目ルーキー八村塁(21)が、23日(日本時間24日)のマーベリックスとの開幕戦で先発することが決まった。ウィザーズ新人選手の開幕スタメンは、今やエースとして活躍するブラッドリー・ビール以来7年ぶり。名プレーヤーたちの背中を追って、八村の挑戦がいよいよ始まる。

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開幕前日、ウィザーズのブルックス監督が報道陣の前で発表した5人の先発メンバーに「ルイ」の名前が含まれていた。「本人にはまだ伝えていないが、彼は賢いから分かっているだろう」と指揮官はにやり。伝え聞いた八村は「うれしい。練習やプレシーズンマッチでやってきたことを試合で出したい」。夢の大舞台を目前に、気持ちを高ぶらせた。

この日は敵地ダラスへ移動する前に、ワシントン市内で調整。シュート練習などで汗を流した。開幕スタメンの座をつかむことができた要因を聞かれ、「練習や試合の中で、オフェンスでもディフェンスでもリバウンドでも、チームを助けることができた」。その表情には自信がみなぎる。

ウィザーズ新人選手の開幕スタメンは、今や大黒柱としてチームを支える12年のビール以来だ。八村にも将来のエース候補として期待がかかる。ブルックス監督は先発起用の理由を「本人が勝ち取ったんだ。ルックスが良いからでもドラフト9位だからでもない。同じポジションのどの選手よりも良かったから選んだ」と説明した。

歴代のNBA名プレーヤーを見渡せば、ルーキーとして開幕デビューを果たした選手は決して珍しくない。伝説的選手のマイケル・ジョーダンもその1人で、84年にドラフト全体3位でブルスに入団し、開幕戦で16得点を挙げた。当時の対戦相手ブレッツは現在のウィザーズだ。

偉大なる先人たちの背中を追いかけ、プロとして最初のシーズンが始まる。八村は「やっとという一言。初めてで大変なこともあると思うが、楽しんでやりたい」。開幕戦は母麻紀子さんが会場で観戦する予定。育ててくれた親への感謝の気持ちも込めて、全力でプレーする。