スーパースターへの第1歩を踏み出す。NBAウィザーズのドラフト1巡目ルーキー八村塁(21)が、23日(日本時間24日)のマーベリックスとの開幕戦先発が決まった。ウィザーズ新人の開幕スタメンはエースとして活躍するブラッドリー・ビール以来7年ぶり。名プレーヤーたちの背中を追って、八村の挑戦がいよいよ始まる。

RakutenTV NBAコメンテーターの塚本清彦氏(58)が八村のルーキーシーズンを占った。出場時間を重ねれば新人王の可能性もあるとみた。

プレシーズンマッチでの八村は、出場した4試合すべてで先発起用された。レギュラーシーズンに入っても出場機会は確保されるだろう。というのも、八村のポジションとなるパワーフォワードに、チーム内で強力なライバルが見当たらないからだ。チームが彼に期待しているからこそ、同じポジションの有力選手を他チームから獲得しなかったともいえる。

プレシーズンマッチで見せたプレーからは、ルーキーらしからぬ落ち着きが感じられた。大黒柱となるビールとの連係もうまくいっていて、スペースを活用したプレーができていた。

現時点で八村が求められるのは、ビールらの動きに合わせるサポート役。自ら得点することも大事ではあるが、スクリーンをつくってボール保持者の自由度を高めるといった動きや、リバウンドや守備面での貢献がより重要になる。まずは出場時間を重ね、チームにさらにフィットしていけば、新人王の可能性も出てくるだろう。

今季ドラフト全体1位のウィリアムソン(ペリカンズ)はサマーリーグで膝を痛め、シーズン序盤も欠場することになった。長いシーズンを乗り切るため、八村にはしっかりコンディションを維持していってほしい。

◆塚本清彦(つかもと・きよひこ)1961年(昭36)2月26日生まれ。兵庫県出身。育英高から明大卒業後、日本鋼管に入社。主にポイントガードとして日本リーグ優勝2度、93-94年シーズンにベスト5。96年に引退。明大、法大の監督を経て、Rakuten TVでNBAの解説を行う。